第7回JDA春期大会
A部門決勝
速記録



二〇〇一年三月一〇日、国立オリンピック記念青少年総合センターにて、第七回JDA春季ディベート大会が開催された。この大会では、参加者はA部門(二〇〇一年前期JDA推薦プロポジション使用)とB部門(二〇〇一年第六回ディベート甲子園高校生の部論題使用)に分かれ、それぞれ三試合の予選を行ったあと、上位二チームによる決勝戦を行った。本トランスクリプトは、このうちA部門の決勝戦の模様を収録したものである。

A部門の論題は「日本は、億歳紛争を解決する手段としての武力による威嚇または武力の行使を認めるように憲法を変えるべきである。」、決勝戦に進出したチームは、肯定側がKDS(鈴木雅子、小黒順平)、否定側が早稲田大学Debate & Discussion Aチーム(石橋靖己、奥村雅史)。

この試合の審査員は、佐藤義典氏(ラップコリンズ)、渡辺徹氏(KPMGビジネスアシュアランス)、古宅文衛氏(日本総合研究所)、坂本成範氏(財務省)、今井直樹氏(時事通信社)の五名。審査員による投票の結果、早稲田大学Debate & Discussion Aチームが優勝した。また、この試合における最優秀ディベーターとして、奥村雅史氏が選出された。

トランスクリプトは、ビデオテープによる録画・録音をもとに、各ディベーターの喋った内容を、明らかな間違いを除き極力そのまま記載している。なお、使用された証拠資料に関して、検証は一切行っていないので、ここから証拠資料を採取したい方は、ご自分で調査・確認の上、使用していただきたい。


肯定側第一立論
プラン。
日本は、国際紛争を解決する手段としての武力による威嚇を認めるように憲法を変えます。
a) 9条の第2項を、「日本は国際紛争を解決する手段としての武力による威嚇を認める。有事の際、先制攻撃はしない」とします。
b) シーレーンの防衛に関して、武力による威嚇を認めます。
c) 国連が採択したPKFにのみ国際貢献をします。
d) その他必要な手続は取られます。
利益1。シーレーン。
a) 近い将来紛争が拡大します。2025年までにアジアにおけるアメリカの抑止力が減少します。
クリストファー・チェス・ダンが、2001年に述べています。
「K・ウェーブは1967年から73年ごろから下降線をたどり、現在はまた上り始める時期にあり、2025年ごろ頂点に達すると広く考えられている。この時期にはすでに綻びつつあるアメリカの覇権も脅かされることが決定的なこともまた広く言われている。もし歴史が真実繰り返されるものならば、中核内における政治的な多極性の時代での安定した経済サイクルの収束は、衰えつつある覇権国と興隆してくる国との全面戦争の勃発という結果を招くことになる。」
実際、アメリカは1970年代に抑止力を低下させました。
朝日新聞が95年に述べています。
「(ベトナム戦争で)死者五万八千人、行方不明者二千二百人余を出しながら敗北したという超大国の屈折した感情が消えていない。」
だから、アメリカは日本の軍事力を頼るようになってきました。
Access Asia Reviewが98年に述べています。
「新ガイドラインを日本の軍事力・経済力が不可避に収束して、日本の平和主義の伝統が崩壊し、アメリカの資源が少なくなりつつあることが日本のこれまで以上の軍事的責任の容認につながった証拠であるとする分析家もいる。」
しかし、日本は協力できません。日本国憲法が唯一の障害だからです。
Japan Quarterlyが2000年に述べています。
「歴代の行政は、日本は個別的自衛権は行使できるが、憲法上の制約で集団的自衛権が行使できない。それは、自衛隊軍を日本領土以外へ派兵することも含まれている。」
結果、アメリカはシーレーンに起こる紛争を抑えることが出来なくなっています。
Oil & Gas Journalが99年に述べています。
「多様な主張を正当化させようとする民族は外交上の不和を増大させ、過去11年間で三度の軍事的威嚇行為を生む結果となった最初のものは武力衝突に発展した。この衝突は1988年の晩春に中国がヴェトナムの軍艦三隻を撃沈して72名を殺害し、Fiery Cross Reefを占領したことで勃発した。」
このような小規模な紛争は規模を拡大します。なぜなら、アメリカの抑止力が2025年までに低下するからです。a)の一枚目の証拠資料を参照してください。
b) 紛争は2つの弊害を引き起こします。
シーレーンでの紛争は日本人の生活水準を破壊します。
前田哲夫が92年に述べています。

「この(シーレーンからの物資供給)流れが10%カットされると(日本)国民の栄養水準は昭和30年代に逆戻り、30%落ち込むと敗戦直後の状態まで生活は破壊されてしまう。」
現状維持は戦争を招きます。なぜならば、アジアに軍事的空白が出来るからです。a)の1枚目と2枚目の証拠資料を参照してください。
c) プランは紛争を解決できます。
日本は中国と同等の軍事力を持っています。
兵藤氏が2000年に述べています。
「東シナ海に中共の海軍鑑定が出没するといっても、あんなものは有事になったら空対艦ミサイルで簡単に沈めてしまえる。中国海軍はフィリピンやベトナムにしたら脅威かもしれないが、少なくとも日本国にとってはまるで脅威じゃないよ。今後も当分はね。」
ですからバランス・オブ・パワーが成立します。
Use of Force and Deterrence Theoryが2001年に述べています。
「双方が状況に関わらず相手を破壊しうる力を有する限り平和は保たれるというのは自明の理である。もし一方が他方に攻撃を仕掛けたならば、結果は双方の破滅以外にはないだろう。」
利益2。国際貢献。
a) アフリカでは紛争が絶えません。
アフリカ人は西欧諸国を信用していません。経済的に搾取されているからです。
Journal of Black Studiesが98年に述べています。
「ヨーロッパにとって、アフリカは原料と白人の企業に利益となる安価な労働力の供給地である。(中略)この目標を達成するために、ヨーロッパ諸国はアフリカの歴史・文化・制度を破壊する必要がある。あらゆる証拠は、アフリカ人は白人の奴隷ではないものの、白人によって運命を左右されることを示す。」
2つ目の理由は西欧の政治的傲慢さです。
明石康が2000年に述べています。
「アダム・ロバーツ教授は、『人道的介入』という言葉が、他国への軍事介入が人道的であるという幻想をもたらすことを警戒する。そこに西欧的な傲慢さが反映しており、介入を受けた側の反対をまきおこすことにもなる。」
実際に介入を拒否されています。
井上茂信が2001年に述べています。
「多国籍軍である東ティモール国際軍の最大の問題点は、白人であるオーストラリア軍が主力で、インドネシアではオランダの植民地だった過去もあり、白人に対する嫌悪感と不信感が強いこと。一方、インドネシアで唯一信頼される外国人は、独立を助けた日本人とされる。」
結果、アメリカはアフリカから手を引いています。
Los Angeles Timesが2001年に報道しています。
「クリントン政権の時代、対アフリカ外交は勢いを見せたが、それは目に見える結果を少しも出さず、ワシントンのアフリカに対する影響力は衰退した。」
しかし、日本は憲法のせいで介入できません。利益1の4枚目の証拠資料を参照してください。
b) アフリカ人が苦しみます。
紛争で多くのアフリカ人が亡くなっています。
明石康が2000年に述べています。
「それ(冷戦後の増加する紛争)によって五百万人を超える死者が生じている。」
c) プランはアフリカ人を救います。
アフリカ人は日本の介入を歓迎します。なぜなら政治的に中立だからです。
朝日新聞が2001年に述べています。
「アフリカ諸国の日本への印象は元々、良好だ。日本はかつてアフリカ諸国を植民地支配した西欧の一員ではないため、中立的な立場で接することができる。現地もこだわりが少なく受け入れることが可能だ。」
自衛隊は十分な紛争解決能力を有します。
うしばあきひこが94年に述べています。
「(カンボジアで行われた自衛隊初のPKOは)部隊展開当初こそ多少の混乱はあったものの、1人の犠牲者も出さずに任務を完遂し、カンボジア人から『日本が一番』とまで評価されたのだから、これもう、満点に近い。」
以上のような理由で、肯定側サイドは主張いたします。
質疑応答
否定側質疑:奥村→鈴木

奥村:それでは、最初にプランを確認したいんですけれども、武力による威嚇を求める、と。
鈴木:はい。
奥村:で、たしかb)で、シーレーンに関しては、武力行使を認める、ということでよろしいですか。
鈴木:はい。そうです。
奥村:つまり、武力による威嚇だけではなくて、武力の行使も認めるんですね。
鈴木:いや、b)は「威嚇」って書いてあるんですけど…。
奥村:威嚇、ですか。じゃ、具体的に威嚇、っていうのは何を指すんですか。
鈴木:まず、攻撃用の武力を所有すること自体、もう威嚇だと思います。二点目としては、例えばですね、武装した兵士を送るような行為も、威嚇の一部と考えられます。
奥村:で、彼らは戦えないんですか。
鈴木:もしやられた場合は…撃たれた場合は撃ちかえします。
奥村:つまり、戦えるんですよね。
鈴木:はい。
奥村:わかりました。それでは、シーレーンのa)の一点目ですね、これについて入っていきたいんですけど、解決性のところで、日本と中国とは、同じくらいの軍事力を持っている、と…
鈴木:はい。
奥村:だから、その、バランス・オブ・パワー、ですか、何とかなるんだ、という風におっしゃっていたんですけれども…そうですよね。
鈴木:はい。
奥村:例えば、アメリカと中国の間においては、それは成り立たないんですか。
鈴木:現状のままでは成り立っていると思いますが…
奥村:現状で、アメリカと中国は同じくらいの軍事力なんですか。
鈴木:いや、現状では、アメリカの方が強い…
奥村:だんだん弱まっていくんですよね。で、弱まっていったときに、中国よりも弱くなるんですか。アメリカって。
鈴木:少なくとも、極東地域に張っているアメリカ軍はそうです。
奥村:それはどういう風に証明されましたか。
鈴木:a)の一番目二番目でお話した通り…
奥村:それは、抑止力とか、そういったものが低下する、ということは言っていたんですけれども、中国に比べてどうだ、という比較の話はされなかったようなんですけど。
鈴木:二番目の話が、経験的にアジア地域での力が弱まっていて、解決できなかった、という話がありますね。二個目として、三番目の証拠資料が、それが、肩代わりを日本にしてもらわないと出来ない、とアメリカが言っている、という話をしてますね。
奥村:肩代わりとは、具体的にどういうことですか。
鈴木:アメリカのプレゼンスの部分を日本が分担するということです。
奥村:より具体的には…
鈴木:例えば、中国とベトナムで今紛争が起きたとき、アメリカ軍が出張って行くじゃないですか、例えば…
奥村:分かりました。お聞きしていいですか。日本というのは、核兵器は持つんですか。
鈴木:それはもつ予定はありませんけど。

奥村:持つ予定はない。それでは、中国と日本って、もっとも違うのは、核兵器を持つか持たないかじゃないかと思うんですけど、これに関しては、拮抗してませんよね。軍事力としては。
鈴木:多分、私が思うには、極東地域に張っているものが問題なのだから、核兵器は、長距離型のミサイルなので、アメリカ軍が持っていれば別にいいんじゃないですか。
奥村:えっ…いやいや…あ…核兵器に対しては…[時間切れ]
否定側第一立論
始めます。
憲法というのは、国民及び世界に対して日本の立場やあるべき姿を表明するものです。ですから、憲法がどうあるべきかという議論をする上で、国際社会における日本の特殊性というものを考慮しないわけにはいきません。
否定側は、国際社会における日本の特殊性はまさにこの世界に類を見ない平和憲法に象徴されていると考えています。すなわち、侵略戦争を行った過去を深く反省し、徹底的な戦争放棄を宣言する平和憲法の理念によって、日本は他国にはできない形で国際平和へ大きく貢献すべきだと考えます。ですから、肯定側プラン導入はかえって国際平和の達成の妨げになります。A、Bの2つの論点によって証明します。
A 現状分析。
まずは、国際平和を維持するためのもっとも有力と思われる機関である国連のあるべき姿について、2つのステップで論じます。
ステップ1、現在軽率な武力行使が行われている。
本来国連では、武力行使は紛争を解決するための最終的な手段であり、でき得る限りその他の手段、平和的な手段を用いて紛争の根本原因を解決すべきであると認識されてきました。しかし、昨今その原則が破られ、極めて安易な形での武力行使が行われてしまっています。帝京大学法学部の渡辺洋三教授は指摘しています。
「国連憲章は、さまざまな社会的不公正を除去した平和な秩序作りを重視し、この分野においてとりわけ大きな成果をあげてきた。ところが、現在の国連では、紛争の強制的解決ばかりが重視されて、紛争の原因となる社会的・経済的な諸問題の解決が著しく軽視されている。(中略)こうして、不正義の除去をなおざりにしたまま強制措置を発動し続けるならば、国連は、平和を実現するのではなく、不公正な秩序を温存する機関と化するおそれがある。」引用終わります。
例えば湾岸戦争では、実に10万人以上のイラク兵がほとんど一方的に殺戮されたのです。しかも、中東における問題は何ら解決していません。それどころかアメリカとアラブ諸国の対立をさらに深めたとも言えます。このように、極めて安易な武力行使が行われているのです。
2、国連のあるべき姿
中央大学の伊藤成彦教授は、紛争の軍事的解決は大きな犠牲を伴う上に本質的な解決にならないため、より平和的解決をすべきだと論じています。
「湾岸戦争は、紛争の軍事的解決がどれほどの犠牲を伴うかを改めて示した。紛争の原因が政治的、経済的、社会的なものである以上、その解決方法もまた政治的、経済的、社会的である以外にない。軍事的手段による対応は、戦争を一時的に抑えるだけで解決には至らず、かえって紛争の根を深め問題を複雑化する。人類は二度の世界大戦の経験でこのことを学べばこそ、国連憲章の第一章に国際紛争の平和的解決を掲げ、日本国憲法第九条は戦争と軍隊の放棄を宣明したのではなかったか。」引用終わります。
B、カウンタープランを出します。
そこで、憲法の理念をより徹底させることで国際平和を実現するため、否定側から対抗案を示します。対抗案は、国連などが行う軍事活動へは、人的にも資金的にも一切協力しないというものです。ただし、非軍事的な紛争解決及び紛争予防の活動は積極的に行い、従来、国連武力行使に使ってきた資金は、ユニセフなどの非軍事活動に用いることとします。
非命題性:軍事後見を行わないというプランは、憲法を変えるという論題には充当しません。
競合性:肯定側プラン採用後と否定側プラン採用後、二つの観点から考えます。
肯定側プラン採用後は、アメリカの言うがままに武力行使に対して軍隊を派遣するという状態になります。何故ならば、現在日本の政府は、軍事貢献すべきというアメリカの要求に応えようとしているからです。
元外務省勤務で明治学院大学国際学部教授の浅井基文氏は95年に言っています。
「日本国内では、湾岸危機以来、国連関連の軍事行動に協力することを、軍事的『国際貢献』として位置付ける主張が幅をきかせています。そこでは、国連を『正義の味方』であるかのように描き出し、国連に協力することは非難の余地がないものである、という印象を国民に植え付ける努力が続けられています。しかし、その実、保守政治の側が狙っているのは、アメリカが適当に利用しようとしている国連の戦争対処のしくみに日本が参加できるようにして、アメリカの要求に応えるというだけのことです。」引用終わります。
今まであらゆる軍事活動を制限するストッパーの役割を果たしてきた憲法9条がなくなれば、当然政府はただアメリカの要求に応えるためだけに軍隊を動かすことになります。
一方、否定側プランを採用すれば、人的にせよ金銭的にせよ、軍事面におけるあらゆる活動が制限されますから、肯定側プランと同時採択は不可能です。
優位性:カウンタープランが肯定側プランよりも優れている理由は、国連の軽率な武力行使が防げることにあります。日本は今まで国連武力行使に対して金銭的に非常に大きな貢献を行ってきています。その日本が資金面での援助を一切行わなければ、国連もそう簡単には武力行使は行えません。
東大法学部の横田洋三教授は96年に書いています。
「国連における加盟国間の実質的力関係には大きな変化が生じており、もはや国連設立時のように、安全保障理事会において中心的役割を果たすことになっていた米・英・仏・露・中の五大国が、実際には日本やドイツのような力のある国の支援を得ないでは、自ら決定した国連の行動を遂行できなくなっていたのである。このことを象徴的に示した事例が1991年の湾岸戦争である。このとき、安全保障理事会の決議を受けてアメリカ軍が中心になって派遣されたいわゆる『多国籍軍』は、ドイツの政治的・経済的・軍事的協力と、日本の資金的協力なしには、遂行が極めて困難だったのである。」引用終わります。
さらにですね、国連の武力行使というのは、常にではないですよ、事態の悪化を招くことがあり得る以上、日本としては、最初に申し上げた、日本の特殊性を確固としたよりどころとして、あくまで紛争の平和的解決を目指すべきです。
一橋大学の、山内敏弘教授は、92年に言っています。
「…世界でも有数の国連研究者のベルトランは、冷戦後の平和維持活動について成功例は三で失敗例が八と断定しているほどである。(中略)そうであるとすれば、日本としては、このように問題を含む『国際的な強制力』の行使に協力するのではなく、むしろ第九条の理念のもとに、国際紛争の平和的解決にあくまでも努力し、紛争の手段となる軍事力の徹底的な削減を追及し、さらには紛争の根源となっている『経済的・社会的・政治的発展の欠如』の解消のために積極的な国際協力をすることこそが肝要というべきであろう。」引用終わります。
最初にも言ったんですけど、憲法は国際社会において日本が果たすべき役割を示すべきです。憲法を変えることによって安易な武力行使に巻き込まれるのではなく、過去の侵略戦争を反省し、できるだけ武力行使を避け平和的な解決を目指すことを世界に訴えかけていくべきであると主張いたします。
以上で終わります。
質疑応答
肯定側質疑:鈴木→石橋

鈴木:一個目に関して、安易な武力行使、ということなんですけど、日米安全保障条約の履行による武力行使はどう思われるんですか。
石橋:どういうことですか。
鈴木:日米安保の線で、アメリカが出張って行くのは、OKなんですか。
石橋:アメリカがOKかどうか、ということですか。抑止力が[不明]と思います。ただ、国連での議論は、国連の武力行使が軽率であって、それが非常に意味がないことから、問題を複雑化させていることから…
鈴木:日米安保と、私たち肯定側プランの異なる点はなんですか。この9条の理念において。
石橋:といいますと、どういうことですか。
鈴木:その…日米安保においても、アメリカ軍の攻撃部隊が日本に駐在しているわけですよね。で、そういうことと、日本で、私たち日本自身が攻撃部隊をもつことと、どう違うんですか。理念にとって。
石橋:…つまり、国連の武力行使と、日米安保の武力行使がどう違うか、ということですか。
鈴木:はい、そうです。
石橋:少なくとも…日米安保はよく知りませんけども、少なくとも国連の武力行使は悪いものなんだ、という話なので…
鈴木:う〜ん、わかりました、はい。じゃあ、次なんですけども、日本がお金を出さなければ、武力行使が出来なくて良い、という話ですよね。
石橋:はい、そうです。
鈴木:それは、湾岸戦争の例を出されてましたけど、例えば湾岸戦争みたいなものが勃発して、日本に石油が届かなくなっちゃった、というときに、それは我慢する、ということですか。
石橋:いや、我慢するのではなく、われわれは、平和的解決に…
鈴木:どうやって解決するんですか。
石橋:それなんですけど…それは、第二立論で述べます。
鈴木:はい、わかりました。カウンタープランなんですけども、人的、資本的に参加しない、っていうことなんですが、例えば国連費を納めるのは、参加に含まれる…
石橋:軍事面においては、ですよ。軍事面においては、です。
鈴木:じゃあ、国連費が軍事面に使われた場合には、それはどうするんですか。
石橋:どういうことですか。ああ、軍事面には使わないでください、って言えばいいんですよね…(笑)
鈴木:ええと、国連全体の決定で、予算がですね…例えば紛争の解決のために使われた場合に、どうやってそれは評価すればいいんですか。
石橋:それは本質的な問題ではないと思うんですけど、例えば、日本が、国連がもしそういうことに使うのであれば、おれは一切協力しないぞ、とかいう風に…
鈴木:じゃ、国連を脱退するんですか。
石橋:いや、それは違います。国連において、軍事活動以外においては協力するんです。最大限。
鈴木:あのですね、もし、その国連費のように、実際としては軍隊に使われるんだけど、軍隊に使われるのか分からない状態のお金を取られた場合はどうするんですか。
石橋:そういう場合はあり得るんですか。
鈴木:国連費を払ってますよね[時間切れ]。

肯定側第二立論
それでは始めます。
彼らのAの1番目です。Aの1番目の証拠資料を見てください。1番目の話で、彼らは日本の参加を前提としていません。
ですから2番目、利益2のa)の1枚目のエビデンスを…証拠資料を引用してください。彼らは、アフリカの人々は、またはそれ以外の国も、白人以外の、白人系以外の国々の人たちは、経済的に搾取されているため、彼らに…ヨーロッパの人たちを、拒否しているのです。なぜならば、ヨーロッパの人たちは、彼らが経済的に利益を得るために、アフリカの文化、経済システム、政治システム、歴史を壊す、ということを意図的にやっているのです。ですから、ここら辺の…このことが重要です。
3番目に、経験的に否定されています。利益2のa)の3枚目のカードを引用してください。実際に白人が勝手に途上国に介入した場合、一般の人々がそれに反対しました。それで、反乱が起きています。
4番目に、彼らのAの2枚目のカードを参照してください。彼らは、湾岸戦争でアメリカが軍事的に参加した、と言っていますが、日本が参加したとは言っていません。なぜなら日本は資金提供しかやっていないからです。
5番目に、利益2のa)の二枚目のカードを引用してください。白人は、彼らは、アフリカ人や、または中東の人々を、政治的に優越することにより軽蔑しているのです。ですから、その点において、彼らは信用することができない…彼らは白人のことを信用することができないのです。
6番目。Bの、プラン後の2番目のところ、競合性のところを見てください。肯定側のプランと否定側のプランが一緒になった場合、否定側のプランをとるべきではありません。なぜならば、肯定側の議論の望ましさ、という問題が否定されているわけではないからです。
7番目です。次の、1枚目の証拠資料を参照してください。証明がありません。日本が、カウンタープランの、軍事費に回さない…PKF等軍事費に回さないかどうか、というのが証明されていません。それでできるかどうか、という証明がありません。なぜならば、安保理─要するに、国連安全保障理事会、ビッグファイブ、要するに、白人四カ国に中国…黄色人種一カ国、ということは、四カ国、白人がいるわけですから、安保理の決定の方が、白人にとっては重要なのです。ですから、国連のパワーポリティクスが動くと思います。
ですから、8番目。優位性のところに行きますが、彼らは利益1のところを捕まえていません。なぜならば、彼らの対抗政策の前提は、PKOだけをやりましょうということ…国際貢献だけをやりましょう、ということで、日米安保とか、そういうことを一切前提としていません。彼らの証明責任は、ベトナムもしくはそのシーレーンのあたりでPKOの活動がある、ということを証明しなければいけません。シーレーンのことに関して、それは、否定側の証明責任です。
ですから、9番目。彼らの一番最後の証拠資料を引用してください。彼らはPKFをやっているといいましたが…PKFで失敗例の方が多いといっていますが、日本の参加がキーで失敗している、とはいっていません。
ですから、私の10番目の議論として、日本の参加が重要です。なぜならば、利益2のc)の1番目と2番目の証拠資料を参照してください。非白人圏の国においては、日本の参加が重要です。なぜならば、日本は政治的に中立ですので、そこのところで、彼らは、日本が信用することができる、ということで、ここの辺で、彼らのカウンタープランの優位性が保たれます。それで、実際に、a)の一番最後から二番目の証拠資料を引用してください。白人が介入した発展途上国に関しては、一般の人々の反乱が起きています。なぜならば、彼らは西洋人を経済的、または政治的に信用できないからです。
もう一回a)の1番目のカードを参照してください。a)の1番目のカードは何を言っているかというと、a)の1番目のカードに関しては、西洋人は、アフリカ人から利益を得るために、彼らの文化、政治システム等々を破壊しなければいけないという、意図的な行為を前提としているからです。
次に、最後から2番目のエビデンスは、われわれの利益1のことを認めています。なぜならば、石油がなくなったから…(笑)[パートナーと相談を始める]…石油を放棄したという解決性を放棄するからです。これがわれわれの11番目の議論になります。
それでは…[パートナーに向かって]まだ何かある?…
それでは、彼らの…利益1に関しては、カウンタープランに解決性がありません。なぜならば、日本人の生活習慣…日本人のシーレーンの物資の確保に関して、彼らはそれの解決性を[時間切れ]まったく示しておりません。ですから…
質疑応答
否定側質疑:石橋→小黒

石橋:まず、もう一回肯定側の第一立論に戻ってほしいんですけれども、現在アメリカでは…白人とかが介入すると、解決しないから、と言いましたよね。で、日本がやれば解決する、ということだったんですけども、その理由としては、政治的に中立だから、ということですか。
小黒:そうです。
石橋:ですよね。政治的に中立だと…なぜ日本が軍事介入をすると、問題が解決するんですか。
小黒:政治的に中立というのがなぜ重要かというと、政治的に中立じゃない、また、経済的に中立じゃない、というと…
石橋:政治的に中立じゃない人が入って、解決しない、というのと、政治的に中立な立場の人が入って解決する、というのはまた別ものですよね。
小黒:そうですね。政治的に中立な人が介入して…
石橋:逆に介入して…
小黒:よろしいでしょうか。政治的に中立でない人が介入して、または経済的に中立でない人が介入して、だめな理由というのは、中立じゃないから、自分の利益を得たいと思います。ですから…
石橋:それで、中立な人が入って、解決する、というのは、また別ものですよね。なぜ、中立な日本が入ると…まあ、いろんな紛争が各地で起こっているわけですよね。なぜ、中立な日本が介入すると…
小黒:中立だったらだめ、っていうこと?
石橋:そうじゃなくて、だめだなんてことは言っていないですけど(笑)…申し訳ありません。すいません。
小黒:いえ。
石橋:だから、何故結局政治的に中立な立場の日本が介入することによって、結果的に紛争が解決するのか、と。紛争なんて、何回でも勃発しますよね。
小黒:それは、リンクは、現状で、ほとんど紛争が…
石橋:あ、分かりました。じゃ、政治的に中立な日本が解決することによって、紛争がなくなるんですか。確実に。
小黒:確実になくなるとは言っていないけど、比較すると、もうちょっといい、ということです。なぜなら解決できるものもあります。で、例えばね、何でかっていうと、ちょっと説明が長くなるんですけれども、中立でないと…
石橋:結局解決しない、と…(笑)すいません、ちょっと喋らせてください。お願いします。結局、中立だっていうのが、解決性の根拠だと、それしかないっていうことでよろしいですか。
小黒:まあ、そういうことです。
石橋:はい、分かりました。では、次に移りたいんですけども、さきほどの反駁ですね、反駁で、7点目くらいで、国連が軍事費に回すかもしれない、という話なんですけど、これは日本がちゃんと対応して…国連に対して…軍事費に対しては、使わないようにアピールすればいいだけの話だと思うんですけど…
小黒:そこのところに関しましては…
石橋:あるいはですね、国連にもいろんな機能がありますよね…[時間切れ]
否定側第二立論
それでは、メリットに対して反駁していきたいと思います。メリット2、そして1の順に反駁します。
メリット2についてごらんください。アフリカの問題でしたね。で、これで、PKOなどで解決するんだ、ということをおっしゃってたんですけど、ここで、2つ場合分けをしたいと思います。アフリカの状況ですね。非常に安全な場合、つまり、日本人、よく来てくれよ、君たちには絶対手を出さないよ、というような状態で迎えた場合。そしてもう一つは、非常に危険な状態、紛争が続いていて、日本人だって殺されかねないような状態。この二つです。
まず一点目として、非常に安全な場合でしたら、今でも介入できるんですね。これは、カンボジアの例で明らかなんですけど、カンボジアに介入してますよね。あれは、日本人が危険にさらされない、という前提の下で介入してるんですね。そして、そういった非軍事的な介入であれば、われわれのカウンタープランでも認めているんですね。ですから、これは全く変わらないんです。プランを導入するかどうか、ということに変わりないんですね。ですから、これはメリットとしては成り立たないんです。
では、もう一つの場合、非常に危険な場合ではどうなるか、これを考えたいんですけど、非常に危険な場合において、日本が本当に役に立つのでしょうか。これを考えたいと思います。
ここで彼らは、自衛隊が非常に役に立つんだ、という理由として、カンボジアでうまく行った、と。カンボジアっていうのは、要は、非常に安全な状態だったわけですよね。少なくとも日本人は安全な状態に隔離されたわけですよね。その状態においては確かに自衛隊は役に立ったのかも知れませんけど、実際に危険な状態に入ったら、本当に役に立つのかっていうのは、非常に疑問なんですね。なぜならば、日本人は平和ボケしているからです。で、アメリカっていうのは、199何年かに、ソマリアに対して人道的な介入を行いました。そのときに、二十数名の兵士を殺されたことで、アメリカの世論は一気に反対の方に動いたんですね。もう人道的介入は止めろ、と動いたんです。軍隊を使っているアメリカですらそうなんですよ。日本だったらどうやるか。平和ボケしている日本人が、一人でも殺されたら、あっという間に自衛隊を退去させますよね、おそらくは。で、それがされない、と、絶対に解決できるんだ、ということは肯定側は証明されていないです。ですから、このメリットというのは成り立ちません。
さらにですね、もう一つ、立論サイドで読んだ…これは、否定側立論の最後ですね…資料を見てください。これは、平和活動は三件が成功したけど八件が失敗した、と、そして、その失敗した八件については、よりひどくなっている、と。そういうことなんですね。紛争の原因を新たに作ってしまったっていうことなんですよ、これは。ですから、これはかえって悪化させるかも知れませんよね、もしずっと、日本人が根性出して頑張ったとしても、かえって悪化させるかも知れません。ですから、これは結局…、というよりはむしろ、ターンアラウンドで…悪化する可能性が高い、という風に考えてください。
それでは、メリットの1点目について反駁します。
ここで非常に重要なのは、なぜ、日本に対して敵対行動が起こるか、ということです。日本に被害が出る、ということは、日本に対して何らかの敵対行動があるわけですね。それがなぜ起こるか、ということを、肯定側は証明されていないわけです。これに対して、三点ほどターンアラウンドを行いたいと思います。
一点目。かえって敵を作ります。日本が憲法九条を改正して軍隊を持つことによって、東アジアにおいて、敵を作ります。
これはまず、杉原泰雄さん、一橋大学法学部教授が、言っています。
「憲法9条は、日本の戦争責任の証としての意味ももっている。戦争についての責任の取り方には多様な形がある。謝罪、損害賠償、戦争犯罪人の処罰などの方法もある。しかし、なによりも重視すべき責任の取り方は、同じ失敗を将来繰り返さないための厳重な措置を取り、それを厳守することである。憲法第9条は、アジアの諸民族やその他の諸民族に対して、それを繰り返さないための徹底した措置であった。」引用終わります。
さらにもう一枚、資料を引用したいと思います。
これは、軍縮問題資料、2000年9月ですね。一橋大学教授の山内敏弘さんが言っています。
「周辺事態法の制定は中国などから反発を招いたが、9条改憲となれば、中国などからくる反撥は周辺事態法の比ではないであろう。そのように軍事的緊張をいたずらに高める9条改憲を行うよりは、むしろ、平和的な話し合いと和解の道を追求することこそが、中国と台湾の問題を最終的に解決することにつながるし、アジアの平和にも貢献することとなろう。」引用終了します。
したがって、9条改正する、ということは、かえって敵を作る。これはターンアラウンドです。
そして、二点目として、武力行使を行って、紛争当事者になるよりは、むしろ中立国でいたほうがいいんです。これは、アラブの人がそういう風に言っています。
パレスチナ駐日代表の、パカル・アブデル・モネムさんが91年に言っています。
「日本にとって、日本の本当の利益と平和の原則に基づき、あらゆる関係当事者との接触を避け、そのあらゆる当事者に理解され、善意が受け止められるようにすること、そして、アラブに敵対する国だけに味方することによってアラブと対立的な関係になってしまわないようにすることが、非常に重要なことだと思います。特に、アメリカと同じバスケットに入ってしまうことはよくありません。アメリカと同じバスケットに日本が自ら入ることになれば、それはアラブにおける日本のイメージが悪くなるということだけではなく、将来において、中東地域における日本の利益を損なうことになるからです。」引用終わります。
これは、中東の話なんですけど、理論的には全て同じ話なんですね。紛争当事者として武力介入するよりは、中立国として、紛争なんか止めておけよ、といった方がはるかに効率的…効率的、というよりも、日本の利益を守ることが出来るんですね。これもターンアラウンドです。
そして、三点目。三点目のターンアラウンドです。これは、日本が憲法9条を改訂しないで、軍隊を持たないそのことによって、アメリカの武力行使…余計な武力行使を抑えることができます。
信州大学教育学部助教授の愛敬浩二さんは言っています。
「9条は蹂躙されてきたにも関わらず、政府が軍事的選択をする上で抑止力として機能してきた。軍事予算からみれば軍事大国であるにもかかわらず、日本では戦時法制が整備されていない。この9条の抑止力はアジア太平洋地域の平和と安定にも貢献している可能性がある。94年の北朝鮮核疑惑の際にアメリカが武力行使のカードを切らなかった要因の一つに、日米軍事協力法制の不備を挙げる見方がある。ソマリアやコソボ問題への対応、『テロリスト』指導者処罰のためのアフガニスタンとスーダンへのミサイル発射など、アメリカは武力行使のカードを切りやすい国だ。日本の軍事法制の不備が、アジアにおけるアメリカの軍事的選択に対する抑止力になりうるとすれば、[時間切れ]これは立派な国際貢献ではないか。」
質疑応答
肯定側質疑:小黒→奥村

小黒:じゃあ、質問してよろしいでしょうか。[マイクを受け取る]どうも。では、質問させていただきます。とりあえず、利益1に関してなんですけれども、…そうですね、二番目の反転で、中立国でいた方がいいじゃん、という話があるんですけれども、それは、中立国でいなかったら、逆にどうなるんでしょうか。
奥村:当事者で…もともと当事者だったら、ということですか。
小黒:プラン後に何が起こるんですか、そしたら。
奥村:はい?
小黒:このターンは…この反転は、プラン後には何が起こるんですか。
奥村:え?
小黒:何が起こるんでしょうか。プラン後に。
奥村:もうちょっと詳しく説明してもらえますか。
小黒:詳しく言うと、中立国でなくなるっていう話なんですけどね、きっと…
奥村:つまり、武力行使を行う、というのが、肯定側の主張であったとして…
小黒:または、脅威を使うと、プラン後に何が起こるんですか。
奥村:つまり、紛争当事者となってしまうだろう、と。
小黒:当事者になると何が起こるんですか。
奥村:であれば…中立国であれば、本来守れたはずの利益までも失われてしまう、と…
小黒:それはどこのセンテンスで言っているのですか。
奥村:それはその…アラブの話で言ってるんですけど…
小黒:ああ、アラブ大先生。分かりました。それでは三番目なんですけども…三番目の反転は、結局9条が、壊れちゃうと、プラン後に何が起こるんですか、これは。
奥村:これはですね、9条があるおかげで…ま、戦時法制、といったものが作られない、と…その結果、アメリカも、協調体制に入れないから、武力行使を行わなかったのだろう、と。それが…
小黒:で、結局…
奥村:9条がなくなれば、当然のごとく、戦時法制が作られますよね。それを作らなかったら意味がないですから…
小黒:分かりました。そしたら、戦時法制が作られちゃったら、何か起こっちゃうんですか。
奥村:作られたら、9条よりも、北朝鮮核疑惑のようなときには、アメリカは武力行使を間違いなく行うだろう、と。そしてこれは立論とつながるんですけど、余計な紛争の火種を生むだけだ、と。今、実際うまく行っていますよね、北朝鮮が…
小黒:分かりました。それでは、一番目の議論に関してなんですけれども、日本は戦争責任がある。で、プラン後は中国が反撥する、と言ってるんですけれども、現状でも、結構、ガイドラインとか…
奥村:だからその、例えば周辺関連法とは比較にならないほどのインパクトだろう、と。
小黒:根拠は…
奥村:なぜならば、9条というのは、反省を…日本の戦争の反省を…
小黒:あの…聞いてるんですけど…
奥村:…意味しているからです。
小黒:あの…そこじゃなくて、聞きたいのは、憲法がキーである、と。キーである根拠は何ですか。
奥村:だから、憲法9条というのが、その象徴だからですよ。
小黒:あ…象徴だから…
奥村:過去の戦争に対する反省の象徴であるものが[時間切れ]変えられるんですよ。それは反省してないっていうことですよね。
小黒:ありがとうございます。
否定側第一反駁
はい、始めたいと思います。主に否定側の主張をもう一回確認しましょう。
まずは現状分析でわれわれはこう言いました。現在国連で安易な武力行使が行われている。で、紛争には根本的な原因というものがあります。例えば、政治的なものであったり、民族的なものであったり、そういうものがあるんですね。で、そもそも原因があるのであれば、それを取り除かないと紛争というのはなくなりません。しかし、そういうことを軽視して、安易な武力行使が行われる、これが現状なんです。例えば湾岸戦争のように、実に十万人以上のイラク兵が、もしかしたら平和的に解決されたかもしれないのに、ほとんど一方的に殺戮された。安易な武力行使によって、そのような被害がでたんです。
で、問題で…否定側がここで問題にしているのは、日本はそういう活動に参加すべきなのか、それとも、そういう活動を抑止するために、国連に一切の軍事協力を行わないのかということなんです。
ここで、肯定側2立で反駁されたことなんですけど、主に言うと二点に分けられるんです。9点ほど論点があったんですけれども。
一つは、国連が、軍事費に回すかもしれないじゃないか、という論点ですね。で、もう一つは、結局、日本が中立的な立場だから、日本が参加することによって国連が良くなるんじゃないか、だから大丈夫だ、ということですね。ひとつひとつ見ていきたいと思います。
否定側の立場をもう一回確認しますと、安易な武力行使が行われるから、9条を保って、国連の安易な武力行使をカウンタープランで抑止する、それによって、安易な武力行使による被害がなくなるんだ、こういう論点でした。で、肯定側がどういうことを言ったかというと、肯定側が2立で言われたことなんですけど、国連PKOは、今、日本が軍事的に貢献していないから問題なんだ、なぜなら、アメリカとかそういうものは中立じゃなくて、そのような問題が起こっているんだけども、日本が中立だから、日本が参加することによって、むしろ良くなるという主張でした。で、ここで問題になることが一つあるんです。中立だから、どうするのか、ということですね。で、日本が中立なのは確かにいいんです。ただ、もう一回紛争の根本原因という話を思い返してほしいんですけど、紛争にはいろんな原因があって、それを取り除かないことには、紛争はなくならない、といいました。だとしたら、なぜ、日本が中立というだけで…日本が介入します、そして、それで紛争が解決するんでしょうか。この点を否定…つまり、肯定側1立に対する解決性がわからないんですけど、それで、論点の9でも述べたんですけど、PKFに日本が参加するころには大丈夫になるんだ、なぜなら、政治的に日本が中立だから、つまり、プランを取ることによって、否定側の、現状に問題がある、ということはなくなる、という論点だったんですけど、そもそも、じゃあ、日本が参加することによって、国連自体の安易な武力行使、こういうものがなくなるのか、ということが、なんら立証されていないので、これ自体の議論はあたらないことになります。
で、もう一つの論点なんですけども、軍事費に回さない可能性があるかどうか分からない、つまり、肯定側…否定側がいくら国連に回したところで、国連が勝手に軍事費に使ってしまうかもしれない、ということなんですけど、これは、本質的な問題ではないですね。なぜかというと、国連は、軍事的な活動部門ではなくて、PKOとかユニセフとか、いろいろな部門があるんですね。で、国連のそういう部門に提供する、そういうことを言っているんです。だから、非軍事面において…そういう期間に提供することが出来るということです。だから、肯定側のカウンタープランは、効力として十分な効力を持っているんです。ここはまず、確認したいと思います。
で、だったら、日本がそういう活動に参加するのと、抑止に回るのと、どっちがいいか、ということなんですけど、これは比較していきたいと思うのですが、さきほどパートナーが述べたように…否定側2立でも述べたように、軍事介入はかえって紛争を悪化させる可能性がある、あるいは、日本にとっての不利益になる可能性があるのです。つまり、軍事介入自体によって、どれだけのメリットが得られるのか、ということが分からないですね。ただ、否定側の議論を見てください。確実に、今、安易な武力行使が行われていて、否定側がカウンタープラン導入によって安易な武力行使を抑えることができれば、安易な武力行使…国連の安易な武力行使によって被害を受けていた人、この人たちは確実に助かるんです。まあ、この一点において、カウンタープランの方が優位性において勝っているといえます。
以上でスピーチを終わります。
肯定側第一反駁
はい、話を始めます。
利益の二点目については、彼らのデメリットとちょっとかぶるので、後にしようと思います。私たちのスタンスとしては、何もしないよりまし、ということです。
利益の一点目についてなんですけども、現状をもう一回確認したいと思います。現状では新ガイドラインを作ったり、PKOを派兵したり、歴史的教科書を書き換えてみたりして、もう十分アジアを、日本は、刺激してしまっています。
で、プラン後にどうなるかなんですけれども、彼らは、中国から反撥を受ける、という話をしたんですけども、一点目として、もう既に尖閣諸島のことでもめています。尖閣諸島のことで、中国がいらだっている、という話は、産経新聞が96年に述べています。
「中国は、最近の日本の対中姿勢に戸惑い、苛立っているようにみえる。ついこの間まで、日本は脅かせば怯んでいたのだが、この一年ほどは核実験強行に抗議して政府開発援助協議の先延ばしや再三にわたる尖閣諸島領有の主張など、まだまだ及び腰ながら中国に対して自己主張し始めているからだ。」というわけです。
三つ目。彼らのこの反転に関しては、固有性がまったくありません。ですから。またしきい値も彼らから示されていません。
四番目として、少なくとも私たちのプランの方で、先制攻撃はしない、ということを明文化して憲法に入れていますので、これが9条と同じ役割を果たすと思われます。
で、次に彼らが言ったのは、ガイドラインの比ではない、ということを、一応、証拠資料で言っているじゃないか、って話しなんですけども、一点目として、これは根拠がありません。二点目として、実際に中国が軍拡しています。
Japan Timesが2001年に述べているんですが、「中国は火曜、国防費を17.7%増しにすると発表した。」とあります。
三つ目として、彼らは、アラビア人のように、中立でいた方がましだ、と考える人たちがいる、という話がありました。一点目。理由に注目してください。理由は、アメリカと仲が悪いから、アメリカの肩を持つやつは嫌いだ、ということですね。
二番目。現状において、日本はアメリカに頼っています。ですから、こういう人たちに嫌われるのは、固有性がありません。
ところが、プランを採択すれば、日本はもっと中立になります。なぜならアメリカに頼る率が下がるからです。これは、利益の一点目を参照してください。
三つ目。さらに、彼らの証拠資料というのは、アラブを想定していて、アフリカを想定していません。
四点目として、アフリカは歓迎する、と言っています。これは、利益2の最後のカードを伸ばしてください。
さらに彼らは9条が抑止力になっていていいんだ、という話がありましたが、これは日本人の声であって、アジア人の声ではありません。
次、デメリット行きます。
まず、現状について確認したいんですが、現状は紛争が非常にたくさん起こってまして、アフリカだけでも五百万人以上死んでいます。これは、私たちの利益2のb)を参照してください、で、じゃ、プラン後どうなるかなんですけども、武力行使をしないとどうなるのか、今、現状をキープしたらどうなるのかという話を、全く否定側からタッチされませんでした。それに対してなんですけども、さらに、最後の方で、中立をキープしたときに…中立をキープして武力介入したら、根本的原因を解決できないじゃないか、という話がありましたが、一点目、私たちは別に、根本的な原因を日本が解決するとは言っていません。
二点目。私たちがやることは、殺戮を止めさせ…殺戮を止めることを強制し、交渉のテーブルを作ることです。これがいわゆる平和的手段ってやつですね。これは、中東戦争のことで経験的に成功していると思います。
さらに、成功率が3対8だ、という話がありましたが、これは、やらないより悪い、とは言っていません。確かに、全部解決できたかは分かりませんけども、11個全部紛争があるよりは、3つでも解決できた方がましです。
最後に、カウンタープランについてですが、彼らは、いろんな部門があるんだから、特定の部門にだけ投資するように、国連に働きかけろ、と言いましたが、何で[時間切れ]日本にそれが可能なのかは言われていません。
否定側第二反駁
それでは始めたいと思います。まず最初に、肯定側と否定側とで、同意している価値観があると思います。これは、国際平和を求める、という価値観です。ですから、国際平和を、より…どちらの方が貢献できるか、という点において、肯定側プランとカウンタープランを比較したいと思います。
それでは、肯定側のメリットを中心に議論を見ていきたいんですけど、まず、メリットの二点目です。これは、第二立論でも申し上げた通りなんですけど、二つに場合分けができる、と。そして、非常に安全で、かつ非軍事的な介入だけで済むのであれば、それは現状でも出来るし、カウンタープランを取ってもできるんだ、と。だから、肯定側プランを導入したから、といって、どうこうなる問題じゃないんですね。
で、もし、危険な状態なのであれば、日本はそんなに貢献できないだろう、ということを言ったんですね。これは、アメリカの例を挙げて反証したわけです。これに対しても、有効な反駁がない、と。ですから…行ってすぐ帰ってくる、というような状態になりかねないんですね。で、もし、それでもなおかつ効力を発揮しようと思えば、結局われわれが申し上げたような…武力的に…強引にですね、武力介入を行って、やっつけざるを得ないわけですね、平和の敵を。で、そうなったときに、結局のところ、根本的な紛争原因…紛争の根本的な原因というのが残ったままで、解決し得ない、と。しかも、日本対アフリカ、とかいうような構図が出てきて、さらに紛争原因が増えるんじゃないか、と。そういうことを申し上げているわけです。ですから、このメリットの2に関しては、一切成り立ちません。むしろ…われわれのカウンタープランの方が優位性があります。
それではもう一つ、シーレーンが唯一問題になってくるんですけれども、ここで、やはり肯定側が一番見落としているのは、なぜ、日本にそういう危機が訪れるのか…日本はなぜそんな危機に陥らなければならないのか、ということなんですね。で、紛争には原因がある、ということを何度も申し上げているんですけど、肯定側の行動…つまり、肯定側プランというのはですね、かえって紛争の原因を作ってしまう、と。その点において、われわれは、否定側の立場の方が勝っているんだろうと考えているわけです。つまり、どういう話かというと、憲法9条の改正によって、過去の…侵略戦争への反省を見せない、と。確かにこれがしきい値になるかどうか、たしかに分からないです。非常に大きいだろうとは思いますけど…ただ、そのことによって、敵を増やすわけですよね。このことが重要なんです。つまり、肯定側のアクションによって、かえって敵を増やしてしまうのであれば、何もいいものはないだろう、と。敵を増やしてから、その敵をやっつけるための手段を講じるというのは、愚かしいことなんですね。むしろ逆だろう、と。そもそも敵を作らないで行くべきだという風に考えます。
で、さらに…先制攻撃しない、と…憲法に…明文する、という風におっしゃっていますけど、これには全く意味がないんですね。先制攻撃とはいったい何なんだ、と。どこまで利益が侵害された時に、先制攻撃をするんだ、ということになるわけですね。これに関しては、全く意味がないよ、と。むしろ、憲法9条で、完全に過去の侵略戦争に対して、反省をしているんだ、と、そういう議論を見せつづける方がはるかに効果的だろうという風に考えます。
で…あと、他のターンアラウンドとして、アメリカの軍事行動を抑えたり、とか、あるいは武力行使をするよりは、中立国でいた方がいい、というようなことを考えれば…肯定側プランを取る意味が、何らない、と。その点において、われわれの…否定側の方が勝つべきだ、という風に考えます。
肯定側第二反駁
それでは始めたいと思います。彼らの弊害と、カウンタープランの弊害と、われわれの利益2に関しての比較なんですけれども、これに対して、われわれがタイ、または利益2の方がでかい、と言えれば、まず一つ…これが一つ目の論題です。
それで、カウンタープランの方は…かれらのカウンタープランの方は、利益1の方を捕まえることができません。それは、肯定側第二立論の七番目の…八番目の議論を参照してください。これはドロップされているので、認められるとします。
それでは、利益1に行ってください。利益1です。それでは、彼らはこの最終反駁において、敵が増える、といいましたが、それに関してまず、肯定側第一反駁の方の三番目の議論を伸ばしてください。しきい値がありません。しかも、二番目の議論を伸ばしてください。現状でも中国と日本の関係は悪いです。ですから、どのくらい中国が怒ると、ぶち切れてやばくなるのかが…プラン前とプラン後の証明がすごい曖昧です。ですから、これも、たとえ立ったとしても、これはインパクトは小さいです。ですから、これは、利益1のインパクトが上回ることができます。ですから…それはなぜならば、b)の一枚目のカードを参照してください。10%シーレーンから物資がなくなるだけで、日本人の生活水準が戦前以前…敗戦直後の状態に戻るからです。ですから、これで十分上回ることができます。
二番目に、反転します。プラン後…これは、他のアジア諸国にとっていいです。利益1のa)の最後のカードを伸ばしてください。現在…過去11年間今までさかのぼって、ベトナムと中国はドンパチ争っています。ですから、この点に関して、プラン後には、ベトナムが日本のことを感謝するでしょう。なぜなら、c)の一枚目と二枚目のカードを伸ばしてください。この解決性については、グラントされましたので…認められましたので、解決することも認められます。ですから、AD2…じゃなくて、利益2に行ってください。利益2に関して彼らは、何か…アメリカ人が死ぬとか、兵士が死ぬですとか、すごいやばいですとかって言っていましたが、これは前提が違います。彼らの前提は、西洋人の介入を前提としています。日本人の介入を前提としていません。ですから、二番目に、a)の最後から二番目の証拠資料を伸ばしてください。これは何と言っているかというと、唯一信頼される外国人は、独立を助けた日本とされる、と書いております。ですから、白人に対する嫌悪感と不信感が強いから、反乱が起きているのです。ですから…アメリカ人はもちろん白人です。ですから、彼らが殺されたのは、政治的、経済的に搾取されているからです。ですから、a)の一枚目と二枚目のカードを参照してください。
それでは、最後に弊害のところに行きたいと思います。弊害のところに関してなんですけど、彼らは、そこに対して、最終反駁でナンバリングをいわなかったんですけど、とりあえず反駁していきます。
彼らは…肯定側第一反駁の一番目と二番目の議論を伸ばしてください。議論に関しては、根本的な解決は、どうでも…どうでもいいっていったらおかしいんですけど、まあ、どうでもいいです。なぜならば、二番目の議論を伸ばしてください。PKOの究極的な目標は、交渉のテーブルに就かせるということで、紛争の根本原因自体を解決することではありません。なぜならば、プランを取ってもカウンタープランを取っても、根底の理由は解決されないからです。[観客に向かって]ありがとうございます。それで、ですから…少なくても、紛争がさらに悪化することを止めないといけないわけす。ですから、それができるのは肯定側のプランだけです。なぜならば、日本は政治的に中立だからです。c)の一番目のカードを引用してください。ですから、日本は、その点において、中立、という点において、プランで利益を得ることができます。
それでは…あと一分もある…それでは、利益1に行ってください。利益1の[時間切れ]…
ありがとうございました。


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